こんにちは!いとひな(@itohina2018)です◡̈♥︎
今日は珍しく、本の感想を書いていきたいと思います。
今回書いていくのは、Fさん(@No_001_Bxtxh)の『いつか別れる。でもそれは今日ではない』です。
この本が発売されたのは2017年4月。
以前からFさんのTwitterが大好きだった私は発売と同時に本屋に駆け込み、品薄の中なんとか手に入れました。
そして初めて手に取った日から2年が経とうとした今でも、人生が嫌でどうしようもなくなった夜にはこの本を手に取ってから眠りにつくことにしています。
ずっと誰かにこの本の魅力を伝えたかったのですが、私のつたない言葉ではとても表現できないほど奥深いこの本を、そんなに簡単に紹介できるものかと思っていました。
でも、時には私を絶望の淵から守ってくれる盾となり、時には背中を押してくれるお守りとなるこの本を一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い、私なりの感想を思い切って書いてみることにしました。
しばしの間、お付き合い願います。
目次
『いつか別れる。でもそれは今日ではない』ってどんな本?
本の内容
この本は全65の短編からなるエッセイで、4章に分かれています。
1章の「恋愛講座、もしくは反恋愛講座」は恋愛の入り口が、
2章の「優等生の皆様、不良の皆様」は人間関係が、
3章の「寂しいって言って」は自分の感情が、
4章の「恋愛を越えろ、夜を越えろ、永遠を越えろ」は恋愛の出口がそれぞれテーマとなり、ある事象についてのFさんの考えがつらつら述べられています。
本の作者
冒頭で述べましたが、この本の作者は「F」(@No_001_Bxtxh)という方です。
もともとはブログやTwitterで男女関係のあれこれや人の悩み、人生についてなどに関して感じられたことを発信されていました。
現在では、Twitterのフォロワーが約23万人超なのでツイートを見たことがある方も多いかもしれません。
このようにTwitterでは有名人であるFさんですが、その素性は謎に包まれています。
巻末にある著者のプロフィールにすら、
11月生まれ。黒髪。猫が好き。でも猫アレルギー。好きなものは東京タワーと映画と散歩と冬とペルシャ猫、あと女嫌いな女。
としか書かれていません。
性別すら明かしていないなんて、本当にミステリアスな人ですよね。私は勝手に男性だと予想しているのですが。
ちなみにFさんは『いつか別れる。でもそれは今日ではない』のあとに『真夜中乃乙女戦争』という2作目の本を出されています。
私も読みたいと思っているのですが、まだ入手できていません。
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この本を読むのに向かない人、向いている人
この本は、何か物事の答えだけをすぐに知りたい人には向いていません。
ビジネス本やノウハウ本を好んで読む人は読んでいて飽き飽きしてしまうでしょう。
きっと、読み進めても「この本、なんかよくわからなかった」で終わってしまいます。
また、
- 人生に絶望したことのない人
- 曲がった事は大っ嫌いな優等生
- ピュアすぎる人
- 合理主義者
- 完璧主義者
- 楽観主義者
- 人生に余白なんて必要ないと思っている人
にはあまりおすすめしません。そういう人はこの本を読まなくてもきっとご機嫌に過ごすことができるでしょう。
一方、
- 繊細すぎる人
- 感受性が豊かすぎる人
- 自分の中だけで考えすぎてしまう人
- 人生に一度でも絶望したことのある人/人生に絶望している人
- 誰かを心の底から愛したことのある人/誰かを心の底から憎んだことのある人
- もう「キレイ」とはいえない人
- 「孤独」な人
には私がプレゼントしちゃいたいくらい強く薦めたいです。
何かに挫折したり、もう明日なんて来なければいいのにと思ったり、恋愛とはなんぞやと悟りたくなる境地に達した人にとってはじわじわ効いてくる精神安定剤になるでしょう。
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この本の魅力
Fさんの人柄が文章ににじみ出ているところ
この本がとても人を惹きつけることの要因の一つに、「文章にFさんの人柄がにじみ出ていること」があります。
普通、人って自分の弱いところや欠点は人に隠したくなるものだと思うのですが、Fさんの文章にはそういったとが一切隠されておらず、だだ漏れになっています。
負の部分って、どうしても人に明かすことは恥ずかしいので自分一人で抱え込みがち。
そういった、自分の弱さがFさんの文章と共鳴するから、きっとこの本は多くの人の心をとらえたのでしょう。
どの文章をとっても誰かにとっての名言になり得るところ
思うに、Fさんは日常の些細な出来事に対する観察力と、考察力がびっくりするくらい抜きん出ています。
この本に出てくる多くの短編は、誰しも生きていたら経験しうる葛藤について、Fさんの鋭い視点からの考察がなされており、「言語化したいけどできなかったなにか」をFさんが代わりに文字に表してくれています。
だから、この本に出てくる1語1句が、本を読む人にとってはとんでもない名言となります。
どこかにメモして残しておきたい、そんな宝物のような言葉がこの本には散りばめられています。
私が好きな名言〜恋愛に関する名言〜
ところで好きになった理由も、いつかは嫌いになってしまうのが人間の常らしい(p.19,10行目)
会いに来させたいのは恋、会いに行くのは愛(p.205)。
私が恋人を愛しているということだけは、絶対に疑わないようにしている(p.211,7行目)。
私は今の彼氏と付き合って3年になるのですが、3年も経つと自分が果たして彼氏のことを好きなのか、愛しているのか、情が湧いているだけなのか、なんだかよくわからなくなってしまう瞬間があります。
そんな時に私の心の支えになってくれたのが上記の3つの言葉。
私は彼氏の「大らかで細かいことはあまり気にしない」性格を好きになりました。
しかし細かいことを気にしないあまり、家事をやってくれる時に洗濯物がシワシワになってしまったり、食器を洗ってくれてもまだ汚れが残っている、なんてことが多々あって。
それでカリカリしていたことがあったんです。
でも、一番最初に挙げた「ところで好きになった理由も、いつかは嫌いになってしまうのが人間の常らしい」という言葉を思い出して、
「ああこの言葉の通りだな…。もし彼氏がよくカリカリしていたり、せっかちだったり、いろんなことに細かくうるさい人だったら私は彼氏のことを好きにはなっていなかったんだろうな。」
って思ったんです。
要は、ものは見方によってはなんとでもなるっていう話なのですが、この本を読んでいると、自分の偏ったものの見方を自然に方向転換させてくれる気がします。
私の好きな名言〜人生に関する名言〜
頑張らなくても続けられることだけを淡々と続け、だから、いつも余裕で、上機嫌で暮らしている人。そんな人の方が、いつも不機嫌な人より、よほど美しい(p.145,14行目)。
私は結構な完璧主義者で、部屋は綺麗じゃないと落ち着かないし、提出物だって出来る限りのクオリティにして出したいし、論文だって必要なところだけ読むのではなくて片っ端から読まないと気が済まない性格なんです。
でもね、なんでも完璧にこなせるはずなんてなくて、時にはうまくいかないこともたくさんあって。
というか、大人になってからは完璧にこなせないことはどんどん増えていって。
そんな時に心に響いたのが上記の言葉です。
この言葉のおかげで、「ああ、自分が楽にできることをやって生きればいいんだ。それでご機嫌に暮らしていればそれが一番幸せなんじゃないか」という風に思えるようになりました。
おわりに
私は普段記事を書く時だいたい2,3時間で書き上げるのですが、大好きな本を伝える言葉がなかなか上手く出てこなくて、今回は3日間に渡って書いてしまいました笑
それくらい、今の私にとっては大切にしたい本なんです。
- 繊細すぎる
- 感受性が豊かすぎる
- 自分の中だけで考えすぎてしまう
- 人生に一度でも絶望したことがある/人生に絶望している
- 誰かを心の底から愛したことがある/誰かを心の底から憎んだことがある
- もう「キレイ」とはいえない
- 「孤独」を抱えている
こんな条件に当てはまる人、めちゃくちゃおすすめなのでぜひ読んでみてください!
きっと人生が生きやすくなりますよ。
いとひな